【お知らせ】旧ブログより2019年春の遠征記事を移植しました。拙い文章ですが画質も綺麗になり一部動画も差し込みました。
本編に戻ります。
行き当たりばったりからの翌日です。朝から前年にsharaさんと訪れた山へ。あの十数年ぶりに素心と出逢えた場所です。二番煎じの兄弟株でもないかと甘い考えでのろのろと山を登ります。
最初に見た花がなんとも姿が良くてしばし見とれます。日焼けしたモヤシ花でした。
前年、素心があった風景です。(この記事が散策から約一年後に書かれたため昨年ではなく前年と表記する事にしました)
ここまでの約30分もちろん二番煎じなどなく健やかに咲く花々にそろそろ飽きて来た頃でした。芸ではなさそうですが傷だらけの花に出逢いました。
弁先が鉤爪状のタイプのようです。花弁が厚肉のためか弁先が癒着し合っていたのでしょうか?
舌は先細りする散り斑系の花のような形でした。やたらに黄色くみえて悩まされましたが葉を観察しても何の特徴も見られずこの場を後にしました。
2時間以上歩き通しも他に興味を惹くような発見がなく完全にへたれてしまいます。一時は東京へ戻ったものの3日続けて山を登り降りしていれば仕方ないのかもしれないが、先輩方と比べると基礎体力がないのは明白です。
足が重たくなると冷たい山の空気が身に染みます。夢中で歩いてるうちは寒さなど気づかないのです。
昨年は歩いていない尾根道を進み始めたときに待望の花に出逢います。
これぞ更紗花という風合いです。ここまで普通の花しかなかったのに突然現れるのですから本当に不思議です。
初心者の頃からずっと、捧心全体も濃く染めるような更紗花に出逢いたいと願い続けて十数年でした。昭和の昔にはたくさんあったと思いますが平成から歩き始めた僕は感動のひとときを過ごしました。
前々回の更紗色花に、熊兄さんの兜咲き更紗花。この春は更紗花に縁があったようです。
山の花を鉢で再現することは難しいです。特に更紗は鉢でその色合いを再現することはとても難しい芸ですよね。それでも喜びには変わりありません。
最後にごく普通の更紗花を……。
あまりにも多くの花を見すぎると心は何も感じなくなってしまいます。咲いているだけで楽しい時間は過ぎ去り、この日は疲労困ぱいで早めの帰途に着きました。
この年の遠征も残すは2日となりました。
4日後に控えているタッケさんとの散策です。ひとりでの散策は単純に寂しさもありますがやはり並花でも一喜一憂できる相手がいるといないでは楽しさは雲泥の差であります。4日後に期待を膨らませ植え替えに励むことにするのでした。
ご笑蘭ありがとうございます。
その6に続きます。
山の神さまありがとうございました。